MacPeople (2005年10月号)という雑誌を買った。 使える隠し機能を一挙公開 Tiger秘密の扉、という企画に魅かれた。 その中で紹介されていたのが iScroll2 というソフトウェアだった。
iScroll2 は、PowerBookやiBookでのトラックパッドスクロール機能拡張ソフトである。 目玉機能としては、最新機種のように、トラックパッド上での2本指スクロール機能が使用できるようになる。
そもそも、最近の機種では、トラックパッド上で2本指を置いてスクロールすることで、ウィンドウ内を上下左右ななめ方向に自由なスクロールができる。
正式には
トラックパッドスクロール機能
というみたいだ。
これが意外に、窓プレインストールのノートPCのトラックパッドにあるような上下左右方向のみのスクロール機能より使いやすい。
Macの場合、斜め方向にも自在にスクロールできる。
ちょうど、ブラウザウィンドウ内の表示エリアが、AcrobatReaderでpdf文書を開き、ドラッグしてスクロールさせるときのように自在にスクロールできる。
画期的・・・。
でもこの機能は、新機種のPowerBookやiBookでないと使用できない。 アップルは、あまりスペックの変わらないノートPCを、マイナーな機能拡張をしただけで「新機種」と銘打って、延々と売り続ける。 この辺の感覚はまだ私には理解できない。
筆者のiBookは、もちろんトラックパッドスクロール機能に未対応。
iScroll2
を喜んでいれてみた。
インストール方法は公式サイトにあるように、pkg方式のインストーラで行える。
インストール後は、システム環境設定画面に iScroll2 の設定アイコンより、設定を行う。
設定画面はとりあえず英語。
トラックパッド設定をいじる訳だから、設定画面が英語で書かれていようが別に問題はないから、気にする必要はなし。
ちょっとわからん単語は、widgetの「翻訳」アプリで即解決。
2本指によるスクロール自体は、新機種のトラックパッドスクロール機能に匹敵する使い心地だった。 また、iPod人気にあやかってか、トラックパッド上で2本置いた指をくるくるまわすことにより画面内を上下にスクロールさせるCircular scrolling機能もある。 釣りで糸を巻いたり、のばしたりするような操作感だった。
また、パッド上をクリックした際の設定もできる。
特異なのが、トラックパッド上で2本指をおいた状態で、トラックパッドに隣接するマウスボタンを押した際の挙動が変更できること。
筆者は「トラックパッド上で2本指をおいた状態でマウスボタンクリック時」に、Right Mouse Button の機能を持たせている。
いわゆる「コントロール+クリック」、つまり右クリック。
Macでは「コントロール+クリック」が「右クリック」に相当する機能となる。
しかし、VirtualPCで窓2000を動かしているとき、「コントロール+クリック」をした場合、「右クリック」として認識されると困る。
「コントロール+クリック」が「右クリック」として機能してしまうと、エクセルで位置の離れた複数セルを選択する操作や、エクスプローラ上で位置の離れた複数ファイルを選択するということができなくなってしまう。
そのため、VirtualPC上では「コントロール+クリック」を「右クリック」としないよう設定をしている。
よって、iBook付属のトラックパッド&マウスボタンだけを使用した場合、VirtualPC上で右クリックをする術がなくなる。(外部マウスがあれば問題はないんだけどね)
そこで例の「トラックパッド上で2本指をおいた状態でマウスボタンクリック」の操作が生きてくるのである。
VirtualPCの窓2000で右クリックもできるし、「コントロール+クリック」もできるようになるので、便利。
それからついでに、トラックパッド上での操作における細かな設定が行える。
ふつー、タップは、指をパッドに触れ、離れることで認識される。
この「指が触れてから離れるまでの時間」を短くしたり長くしたりすることで、タップの挙動が変えられる。
また、ドラッグ操作設定では、ドラッグ後指を離すと自動でドラッグ状態解除(リリース)されるのだが、このリリースされるまでの時間を短くしたり長くしたりすることができる。
また、純正機種のトラックパッドスクロール機能ではきちんと動くけど、iScroll2だけで起きる問題もある。
2本指スクロールをする場合、指はパッド上で横に並ぶように置かないとNG。
縦に並べてはダメっぽい。
(When 2-fingers are put vertical on the trackpad, 2-fingers features don't work.)
2本の指がパッドに触れる際、マウスポインタがぶれて動く。
(It's difficult to put 2-fingers on the trackpad without unexpected pointer's jump-move)
指と指の距離が広かったり、2本の指が同時に置かれずちょっと時間差がある場合などはもうだめ。
ポインタがスクロールエリアから出たりしてしょんぼり。
とりあえず筆者は、中指と薬指をぴったりくっつけてパッドに触れてやるようにして操作をしている。
そんなわけだけど、かなり使えるソフトだと思う。
現在はベータ版。
そのうち、完成度が上がったらシェアウェアになるんじゃないかと思われ。
語った、語った。疲れた。